ギ酸雰囲気加熱とは

現在、環境への影響と工程の短縮から、フラックスを使用しないフラックスレス実装が注目されています。リフロー実装では、フラックスを用いて金属表面の酸化膜を除去し、ぬれ性を確保する為、リフロー後に溶剤で洗浄する必要があります。フラックスレス実装では、還元ガスにより酸化膜を除去し、フラックス不使用でも高いぬれ性を確保できます。さらに真空引制御を行うことで、はんだ付けの品質向上、強度の改善が可能です。SMT Scope のギ酸雰囲気加熱では、「ギ酸の還元効果によるぬれ性向上」と「真空引きによるボイドの低減」を検証いただけます。

SMT Scope ギ酸雰囲気 加熱仕様

ボールはんだの溶融比較(窒素・ギ酸)

1、ギ酸の還元効果 -SMT Scope での観察-

ギ酸の酸化還元効果により、金属表面の酸化膜を強力に除去し、フラックスレスでも高いぬれ性の確保ができます。還元効果である酸化膜除去の映像がご覧いただけます。ギ酸の高い還元力が確認できます。


温度制御はもちろん、ギ酸導入・停止タイミングやギ酸濃度の設定が自在にできます。

2、ボイドの低減効果

ギ酸雰囲気下においては、フラックスレスでも十分なぬれ性を確保し、また真空引きによるボイドの抑制も確認できます。

X線による透過写真比較

OMによる断面写真比較

プロファイル上で真空脱気タイミングの設定が自在にできます。真空効果によりはんだ内部の気泡を取り除き、更にボイドを抑制することが可能です。

3、環境への効果

フラックスレス実装では、リフロー後の洗浄工程が不要となり、環境負荷の低減ができます。また還元温度について水素の270℃に対してギ酸は150℃と低く、低温リフローでも安定したぬれ性が確保できます。フラックス残さによる金属腐食やマイグレーション等の影響原因を排除し、信頼性の高い実装が可能です。真空引きによるボイドレス実装は、製品の性能・信頼性・寿命の向上が可能です。

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